昨今ではエンジニアのワークスタイルなどに注目が集まり、文系未経験でも多くの学生が新卒でエンジニアを志すようになりました。新卒はポテンシャル採用的側面が大きいため、必ずしもエントリー段階でプログラミングの経験は求められるものではありませんが、業界と会社規模によって、求めるレベルは異なってきます。
そこで今回は、メガベンチャー(web自社開発)、SIer、外資IT、ITコンサル、キャリア系などに分類して、どういった技術力と、どういう人材を文系市場に求めるかについて話していきます。
※いずれもビジネス総合職ではなく開発職での話です。
※私の所感とOnecareerの情報を参考にしています。
メガベンチャー(Web自社開発)
ベンチャーの風土を残しつつ、大企業になった比較的若い企業などが該当します。いわゆるDenaや楽天、ヤフー、サイバーエージェントがありますが、基本的にこの辺りのエンジニア就活では必ずと言っていいほどコーディング試験が課されます。(5,6年前はコーディング試験を課さない企業の方が多かったという)
またコーディング試験の内容もAtcoderなど競技プログラミングの内容に近く、日頃からこうした競技プロに対する慣れがないと対応が難しいでしょう。
ただ企業によって難易度の振れ幅は大きくあり、ヤフーなどではそこまで難しいものは出されないのに対して、スマートニュースやDeNAはここで紹介する企業の中でもトップクラスに難しい難易度を誇ります。ただサイバーエージェントやリクルートではコーディング試験を(現状は)課しておらず、技量とは関係ないプログラミングに対する興味の高さで勝負できる部分はあるでしょう。
ITベンチャー
ベンチャーはそもそも採用人数が多くなく、良い人がいれば取るというスタンスのところもあれば、10~15人程度と決めているところもあります。当然採用人数が少ないため競争倍率は高くなりますが、新卒ではコーディング試験を課さないところが多いため、文系でも十分勝負できるでしょう。いわゆるエンジニアにおいては、転職で言われる「大手→中小は簡単だけど、中小→大手は難しい」というのはあまりなく、こうしたところで腕を磨いて、転職市場の価値をあげていく人も多いと言われます。
外資IT系
ひとくくりに外資IT系と言っても、企業の事業内容によって求めてくるレベルは全く異なります。例えばGoogleやAppleの開発職は日本でもトップクラスの人材が集まるのに対して、日本IBMやマイクロソフトなどSIer的な企業は技術力をそこまで求めてない印象があります。
業務内容を見て、日本に開発拠点があるのか、それともあくまで日本支店にとどまるのかによって対策は異なるでしょう。
※外資コンサルはコンサルに分類
携帯キャリア
携帯キャリアといえば4社程度しかありませんが、楽天を除いてコーディング試験を問われることはほとんどない模様です。しかしながら、仕事内容が技術に直結するため、面接などでもエンジニア適性などは深掘りされます。結果として内定者の属性としては理系がほとんどとなるようです。
ITコンサル
こちらもそこまで技術力は求めていないでしょう。アクセンチュアなどは一部コーディング試験を課してる模様ですが、Web自社開発でみられるようなアルゴリズムではなく、知識を求めてることが多いです。またプログラミングの技量がなくても、ITに関する意識の高さで勝負できることが多いです。
基本的にITコンサルはクライアント側から見れば開発まで請け負っていても、自社でコードをスクラッチで開発することは少ないため、新卒段階ではプログラミング力をそこまで求めていない印象です。
SIer
こちらも企業によりますが、新卒一様に高いプログラミングレベルを求めているというわけではなさそうです。ただ企業が日本特有の多重下請け構造の中でどこに位置しているかによっても異なり、一番上の元請けSIerではエンジニア職を名乗っていても一切コードを書かないということもあるようで、その点プログラミングスキルを求めていないことはよくあるでしょう。
まとめ
以上が大まかな業界ごとのプログラミング要求水準の違いとなります。並び順的に上にあるベンチャーやメガベンチャーは実務開発経験を重視し、下にあるSIerやITコンサルなどでは、基本情報や応用情報処理などが重視される傾向にあるようです。
ただIT業界は、携帯キャリアを除いて目まぐるしく情勢が変化する業界でもあり、年度によって求めてくる人材やコーディング試験の有無は異なります。また企業が欲しい人材も必ずしもプログラミングスキルだけでなく、総合的に見ての判断になることも多いため、エントリー数を増やすというのは大事だと思われます。