海外ドラマフレンズ。よく英語教材でも勧められてますよね。最近ではBTSのリーダーがフレンズで英語を習得したこともあって話題になりました。
でも正直、難しくないですか??自分自身、TOEIC960(リスニング満点)を取ってるんですが、取得した当初はそれでも全然聞き取れませんでした。(日本語字幕あっても)
でもなんで英語学習者向けにこんなに推奨されてるんでしょう?何かそこに理由はあるわけですよね。
フレンズとは?
海外のいわゆるシチュエーションコメディ(シットコム)と呼ばれるもので、少し古い 1990年代のニューヨークを舞台にしたコメディドラマです。1エピソード25分以内と短いのですが、放送期間は10年と長かったので、見ても見切れないほど大量のエピソードがあります。(僕は全シーズンを3周しました笑)
あらすじとしては、いわゆるX世代。なかなか大人になっても大人になりきれない未熟な男女6人組が、恋に、仕事に、人間関係に、翻弄される物語で、確かにストーリーもよく練られて面白いんですが、次第にストーリーというより、この6人組が愛せるようになってくるんですよね。それぞれ絶妙にキャラクターが違っていて、みんな変人で、いつしかこの絶妙な人間関係のバランス関係の虜になってしまいます。
自分も久しぶりにフレンズを見ると、「またこの6人に会えた〜」という気分になります笑(本当に!)
X世代とは
文学なんかでもアメリカはイギリスと違って、社会と文化コンテンツが密接にリンクすると言われますが、このフレンズも当時の世相というのを敏感に反映しています。このいわゆるX世代は1970年代前後に生まれた人たちを指す言葉で、ベトナム戦争などの影響もあり、親からの教育圧力をそこまで受けなかった世代だとも言われています。そうした彼らは、社会人になっても子供心を内包し、そうした悩みをフレンズに重ね合わせました。
彼らはキャリアの半ばにリーマンショック、同時多発テロ、ITバブル崩壊を経験し、慢性的な政治不信を抱いたがために個人主義と内向性をより一層強めたとも言われています。そして、のちのトランプ大統領誕生を大きく後押ししたのがこのX世代の人々でもあります。
でも実際に英語教材として見てみると結構難しいですよね。TOEICリスニング満点を取った耳ですら、難しいと感じるわけですから、「FRIENDS」の英語は巷で言われるように、決して簡単な部類には入りません。(少なくともTOEICリスニングよりは格段に難しい)
むしろFriendsの英語を聞き取れるレベルなら日常生活の会話を聞き取ることにおいては困ることがほぼなくなるでしょう。
でもなぜここまで英語学習教材として(日本だけでなく)世界中で推奨されてるのでしょうか?
理由1 単純に面白い。
正直言ってこれが一番大きいと思います。私はTOEICの勉強中に日本語字幕付きで見始めたのですが、シーズン1の途中からみるみるうちに面白くてハマっていきました。その中で難しいながらも徐々に「自分の好きなドラマだし、英語で見てみるか」というとこから始まり、「英語で見る苦痛<見たい欲」が勝って、無理にでも英語で見るようになっていったところはあると思います。
そしておそらく先人たちもそうなのではないかと思うのですが、それで英語を学んだ人が、フレンズはいいよと勧めることによって、好循環に入っていって、行列が人を呼ぶ理論的にフレンズが英語学習用のドラマとして定着したのではないかと思います。
実際、フレンズにはハマらない人も当然いるわけで、周りには「ビックバンセオリー」にハマっていった人も多くいます。こないだ後輩に「フレンズ」派と「ビックバンセオリー」派がいると聞かされ、確かにそうだなって思ったんですけど、フレンズにハマらない人は、ビックバンセオリーを見てみると面白いかもしれません。僕は見てないですが、割とフレンズと好対称を成しているようです。
ちなみにフレンズは個人的にはシーズン1の中盤くらいから面白くなってくるので、騙されたと思ってシーズン1は見切ることをお勧めします。
勉強において背伸びすることの大切さ
私自身も最初はフレンズの英語も2~3割しか聞き取れなかったわけで、聞いてるうちに自然と7割ほど聞けるようになっていきました(1~2ヶ月くらい)。勉強においては常にちょっと背伸びして難しい勉強教材に触れることが大切で、フレンズを見てる際でも「なんでこんな日常会話聞き取れないんだ」「フレンズを聞けるぐらいにはせめてなりたい」といった葛藤がドライブになって勉強できたという部分が相当にあります。言語というのは不思議と触れ続けていると、理論としてではなく、体に馴染んでくるものなので、最初は難しくとも、とりあえず聞いてみるという姿勢が重要なのではないかと思います。
理由2 1話完結で見やすい。
これは基本的に2004年にLOSTが成功するまで、大体の海外ドラマに共通して言えることですが、フレンズも1話完結で、結婚、移住、死といった大きなライフイベント以外は、エピソードを跨いで設定が持ち越されることは基本ありません。また海外ドラマにありがちな後半に行くほどストーリーが重くなると言うこともありません。
またどれも22分~25分で終わるためあっという間に見終わるため、空いた時間にサクッと見ることができます。ストーリーも三幕構成(アメリカだと起承転結ではなく発端→対立→解決の順)で、最後にストンと落ちて終わる気持ちよさもあるので、見てて飽きません。
理由3 上級者にとってはちょうどいい感じのレベル感
上級者の定義が難しいのですが、TOEICの問題が難しいと思わなくなるレベル感、あくまでTOEICの問題はどれだけ早くこなせるかの勝負に入っていった人にとっては、背伸びするくらいでちょうどいいくらいのレベルではないかと思っています。
まず難しい設定がないことはもちろんのこと、法律や医学用語が絡んでくることはありませんし、基本的には日常生活の中で起こりうる範疇にストーリーは収まってます。実際このフレンズに出てくる語彙だけで、日常生活の言葉のほとんどはカバーできます。
またストーリー展開も予測できうる平易さを持っているので、わざわざ辞書を使わずとも、この英語フレーズはこういう時に使えばいいんだなということが、自然な英語の中で馴染んできます。
まとめ。
フレンズの英語は確かに難しいです。しかしながらリーガル系やメディカル系と違って、べらぼうに難しいというわけではなく、ちょっと背伸びをすればなんとか理解できるくらいの難易度です。またオンライン英会話などでもフレンズの話をすると、異国の人と盛り上がることも多いですが、つまり万国共通で面白いということは単純なエピソードでありながら、そこには普遍的な価値が潜んでることでもあります。
ぜひフレンズを通して英語学習をしてみることをお勧めします!